「劇場型詐欺仕掛けられました」
皆さんはNETFLIXの「地面師たち」をご覧になりましたか?
未だの人はネタバレ満載なので鑑賞後に読んでくださると幸いです。
「地面師たち」とは、不動産の所有者になりすまし、他人に売約することで多額の金銭をだまし取る詐欺集団を描いた、未だネトフリ1位の人気を誇るドラマです。私も観てとても面白かったです。
ただ、そのドラマによると、地面師集団は立案者、図面師、スカウト役、交渉役、なりすまし役、偽造書類作成係とチームを組んで合法的な取引に見せかけることが特徴らしく、そのシナリオや演技力、偽造書類作成力には、エンタメとして楽しんだ人達と、「こりゃあ、騙される」と、恐怖のずんどこへと陥った経営者や不動産関係者達が同時に存在したのではないでしょうか?
ドラマでは立案者がやってましたがマネーロンダリングにも抜かりが無く、詐欺師たちが逮捕されてもお金は海外のどこかへプールされ被害者へ戻ってこないというのですから、「このような犯罪が後を絶たないのはそれなりに割が合うから」とは、辰さんという刑事役(リリーフランキー)談。
また、このドラマが面白いのはただのフィクションではなく、実際にあった地面師事件(アパホテルや積水ハウスが被害にあった巨額詐欺事件」を元に作っている所で、「他社よりも早く良い土地が欲しい」という野心溢るる仕事人の心理を巧妙に突き、しっかりしてる筈の大企業ですらコロっと騙されてしまう程、犯罪集団のプロフェッショナルぶりがなんとも痛快だから。しかし、被害者目線で見ればハンニバルレクターよりジェイソンより恐ろしすぎる集団な訳で、経営者の端くれである私にとっても今年一番のホラームービー(ドラマ)となったのでした。
さて、長々と「地面師たち」の宣伝を関係ないのにしてしまいましたが、「面白がってる場合では無かった」というのが今回のお話です。
それが起きたのは今月の5日。
毎年、夏休み恒例で訪れている、妹家族の家に到着した時(夕方)の事。
のん気にも、「地面師たち観た?面白いから観て!」などと妹や義理弟に詐欺集団ドラマをお勧めしていた最中に、海外から私の携帯に一本の電話がかかってきました。
「川崎貴子さんの携帯でしょうか?」
「はい」
「福島県警捜査2課の〇〇です。最近、カードを紛失したり、個人情報を漏らしたりしたご記憶はありませんか?」
と。
「ないです」
というと、
「あなたの〇〇カードが使用され被害が出ています。川崎貴子さんで間違いありませんか?」
それは、私の持っているカードであり、
「川崎貴子で間違いありませんが身に覚えがありません」
と、答えると、「もう一度聞きますが、身分証明書やカードを落とした、もしくはどこかで番号を抜かれた記憶はありませんか?」と、警察特有の話し方でたたみ込んできます。